IntelのCore Ultraとは?他CPUとの性能比較や選び方を詳しく解説 IntelのCore Ultraとは?他CPUとの性能比較や選び方を詳しく解説

ノートパソコン選びにおいて重要な指標のひとつであるCPU。CPUとは、パソコンの中でさまざまな処理や計算を行う主要な処理装置であり、パソコンの「脳」のような存在ともいえます。

このようにパソコンの性能にとって大変重要なCPUですが、高性能プロセッサー「インテル® Core™ Ultra」が2023年12月に発売されました。

レッツノートFC/レッツノートSCにも搭載されているCore™ Ultraとは一体どのようなものなのでしょうか?
従来のCore™ iシリーズや、AMD Ryzen™、Snapdragon® Xとの違い、用途に合った選び方とあわせて解説します。

目次

    Core™ Ultraとは?

    Core™ Ultraは、インテルが展開するプロセッサーシリーズです。一般的な演算を担うCPU、画像処理や並列処理を得意とするGPUに加え、AI処理に特化したNPUを搭載していることが大きな特長です。
    複数の処理装置を用途に応じて使い分けることで、文書作成やWeb会議といった日常的な作業から、画像・動画編集、対応アプリによるAI処理まで、幅広い作業を効率よく実行できます。
    なお、Core™ Ultraを搭載していれば、すべてのAI機能が自動的に高速化されるわけではありません。NPUを活用するには、OSやアプリ側が対応している必要があります。

    型番の意味

    Core™ Ultraの型番は、「性能クラス」「シリーズを示す番号」「製品ごとの番号」「末尾の記号」に分けて見ると、特徴を把握しやすくなります。
    たとえば「インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 165H」の場合、「Ultra 7」は性能クラス、「1」はシリーズ1、「65」は同じシリーズ内の製品番号、「H」はモバイル向けの高性能タイプを示します。「インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー 356H」であれば、先頭の「3」がシリーズ3を表します。
    性能クラスは、主にCore™ Ultra 5、Core™ Ultra 7、Core™ Ultra 9に分かれ、数字が大きいほど上位のクラスです。一部のシリーズにはCore™ Ultra X7、X9なども用意されています。
    末尾の記号は製品の用途や設計の目安となり、代表的なものには、高性能なモバイルパソコン向けの「H」、省電力性を重視したモバイルパソコン向けの「U」、シリーズ2のLunar Lakeを示す「V」などがあります。末尾記号が付かない製品もあるため、型番だけで判断せず、コア数や最大動作周波数、内蔵GPU、NPU性能などの仕様も確認しましょう。

    AI処理の仕組み

    Core™ Ultraでは、CPU・GPU・NPUの3つがそれぞれの得意分野を分担して処理します。
    CPUはOSやアプリ全体の制御、表計算や文書作成などの汎用的な処理を担当します。GPUは画像や動画、3Dグラフィックスなど、大量のデータを並列に処理する作業を得意としています。
    NPUは、画像認識、背景ぼかし、音声処理など、対応するAI処理を低消費電力で継続的に実行するための専用プロセッサーです。NPUにAI処理の一部を任せることで、CPUやGPUをほかの作業に使いやすくなり、パソコン全体の応答性や電力効率の向上につながります。
    また、対応するローカルAI機能であれば、処理をパソコン内で行える場合があります。インターネット接続に左右されにくく、外部サーバーにデータを送信せずに処理できることもありますが、処理場所やデータの扱いは使用するアプリやサービスによって異なります。利用前に各サービスの仕様を確認しましょう。

    Core™ Ultraの基本性能

    Core™ Ultraは、AI処理に特化したNPUを備えているだけでなく、CPU、GPU、電力効率、セキュリティなど、パソコンの基本性能を支える各機能も強化されています。
    ここでは、主な特長を確認していきましょう。

    最大の進化はAI処理能力の向上

    今までの「Core™ i」シリーズとの最大の違いは、AI処理専用のハードウェア(NPU)が搭載されたことです。これにより、AIによるデータ分析やクリエイティブ制作などがスムーズに行えるようになりました。

    マルチタスク、クリエイティブ、ローカルAI機能まで、多くのタスクで快適さとバッテリー駆動時間を底上げします。

    内蔵グラフィック(GPU)の強化

    ゲームやマルチメディアアプリケーションの動作がスムーズに行えるようになりました。

    電力効率が向上

    従来の高性能コア(Pコア)と高効率コア(Eコア)に加えて、低消費電力高効率コア(LPEコア)が搭載されました。これにより、アイドル時や低負荷時の消費電力を大幅に抑えられ、長時間のバッテリー駆動が可能となっています。

    強化されたパフォーマンスとセキュリティ

    多コア設計により、マルチタスクや高負荷アプリケーションの動作において優れた性能を発揮します。
    また、ハードウェアベースのセキュリティ機能も充実。データ保護やプライバシーの向上に寄与します。

    Core™ Ultraと他のCPUの違い

    AI処理に対応したパソコン向けCPUは、Core™ Ultraだけではありません。AMDのRyzen™ AIや、QualcommのSnapdragon® XなどもNPUを搭載しています。
    それぞれに設計や得意分野があるため、単純なベンチマークスコアだけでなく、使用したいアプリ、周辺機器との互換性、バッテリー駆動時間などを含めて比較しましょう。

    従来のCore™ iシリーズとの違い

    従来のCore™ iシリーズとCore™ Ultraは、どちらもWindowsパソコンで広く使われているインテル製のプロセッサーです。大きな違いは、Core™ UltraがNPUを組み込んだ、AI処理を前提とするプロセッサーブランドである点です。
    一方、Core™ iシリーズにも世代や型番ごとに幅広い製品があり、文書作成やWeb閲覧、表計算などの一般的な作業であれば十分な性能を持つモデルも多くあります。
    「Core™ Ultra 7」と「Core™ i7」のように数字が同じでも、性能が同一という意味ではありません。CPU性能は世代、型番、消費電力の設定、パソコン本体の冷却設計などによって変わります。
    AI機能を積極的に使う場合や、今後対応アプリが増えることを見据えて選ぶ場合はCore™ Ultraが有力候補になります。一方、利用するソフトが決まっており、NPUを使う予定が少ない場合は、従来のCore™ iシリーズを含めて、必要な処理性能と価格のバランスで検討するとよいでしょう。

    Ryzen™シリーズとの違い

    AMDのRyzen™シリーズにも、CPUとGPUに加えてNPUを搭載したRyzen™ AIがあります。Core™ UltraとRyzen™ AIは、いずれもWindowsパソコン向けプロセッサーであり、対応するAI処理をCPU・GPU・NPUに分担できる点が共通しています。
    違いは、CPUや内蔵GPUの設計、NPUの世代、対応するソフトウェア環境などです。Ryzen™ AIはAMD XDNAを採用したNPUとRadeon™ グラフィックスを組み合わせているのに対し、Core™ UltraはインテルのNPUと、型番によってインテル® グラフィックスまたはインテル® Arc™ グラフィックスを搭載しています。
    どちらが高性能かは、比較する型番や作業内容によって異なります。動画編集、画像処理、AI機能など、重視する用途の実測結果や、使用するアプリが各プロセッサーのNPU・GPUに対応しているかを確認することが大切です。

    Snapdragon® Xとの違い

    Snapdragon® Xは、QualcommがWindowsパソコン向けに展開するプロセッサーです。CPU、GPU、NPUをひとつのSoCに統合し、高いAI処理性能と省電力性を重視して設計されています。 Core™ Ultraとの大きな違いは、命令セットのアーキテクチャです。Core™ Ultraがx86系であるのに対し、Snapdragon® XはArm系です。
    Windows 11 on Armでは、Arm64に対応したアプリをネイティブで動かせるほか、x86・x64アプリの多くをエミュレーションで実行できます。
    ただし、専用ドライバーを必要とする周辺機器や、一部の業務ソフト、ゲーム、セキュリティソフトなどは、Arm版Windowsで利用できない場合があります。Snapdragon® X搭載パソコンを選ぶ際は、普段使用するアプリやプリンターなどの周辺機器がArm64に対応しているか、事前に確認しましょう。
    従来のWindows資産との互換性を優先する場合はCore™ Ultra、省電力性やArmネイティブアプリの利用を重視する場合はSnapdragon® Xが候補になります。

    Core™ Ultraの種類と性能

    Core™ Ultraの種類

    Core™ Ultraはスペックごとに大きく分けて、以下の種類があります。用途によって選ぶことをおすすめします。

    Core™ Ultra 9: ハイエンドモデルで、最も高い性能を提供します。ゲーミングやクリエイティブな作業に最適です。高性能の代わりに消費電量が大きいので、デスクトップや一部のゲーミングノートPCに搭載されています。

    Core™ Ultra 7: 強力なマルチタスク性能を持ち、一般的な用途からゲーミングまで幅広く対応します。性能と消費電力のバランスがよく、ノートパソコンにも多く採用されています。

    Core™ Ultra 5: バランスの取れた性能を提供し、コストパフォーマンスにも優れています。日常的な使用や軽めのゲームに適しているため、デスクトップ・ノートパソコンどちらにも幅広く採用されています。

    レッツノートFC/SCのプレミアムエディションモデルは「インテル® Core™ Ultra 7 プロセッサー」を、スタンダードモデルは「インテル® Core™ Ultra 5 プロセッサー」を搭載しています。

    レッツノートFCの詳細はこちら
    レッツノートSCの詳細はこちら

    Core™ UltraとCore™ iの性能比較

    今までの「Core™ i」シリーズとの違いをまとめてみました。AI機能の搭載やハイレベルな性能を持ちつつ、価格は「Core™ i9」の価格帯とそれほど変わらないようです。

    Core™ Ultra 9

    Core™ Ultra 9

    Core™ Ultra 7

    Core™ Ultra 7

    Core™ Ultra 5

    Core™ Ultra 5

    Core i9

    Core i9

    Core i7

    Core i7

    Core i5

    Core i5

    Core i3

    Core i3

    特長
    • ・Core™ Ultra シリーズの中でも最高のスペックを持つ。AIにより強化されたビデオ編集など、高いパフォーマンスを発揮する。
    • ・Core™ Ultra 9に比べて僅かに劣るが、それでも高いパフォーマンスを発揮する。特にCore iシリーズと比べてAI性能とグラフィックス性能が優れている。
    • ・価格がCore™ Ultra シリーズの中でも安価なため、10インチ以下の小型ノートパソコンや低価格帯のPCなどで採用されている。
    • ・他のクラスと比較すると、高負荷の作業に関する処理能力が劣る。
    • ・最も高い性能を持つ。消費電力や発熱量が多く価格も非常に高価なため、ノートパソコンよりデスクトップやハイエンドモデルに搭載される方が多い。
    • ・性能面でCore i9に僅かに劣るが、消費電力や発熱量と性能のバランスが良く、「高性能CPU」の代表格として挙げられることも多い。
    • ・シングルスレッド性能ではCore i9に肉薄しており、実用性はほとんど差がない。
    • ・Core i7と比べると安価で、それなりの性能を有しており、コストパフォーマンスが良い。
    • ・消費電力や発熱量が少なく価格も非常に安価なため、10インチ以下の小型ノートパソコンや低価格帯のPCなどで多く採用される。
    • ・他のクラスと比較すると、高負荷の作業に関する処理能力で大幅に劣る。
    シングル
    スレッド性能
    高い 高い 高い 高い 高い 普通~高い 普通
    マルチ
    スレッド性能
    非常に高い 高い 高い 非常に高い 高い 普通 低め
    価格 非常に高い 高い 普通~高い 非常に高い 高い 普通~高い 安め
    採用モデルの傾向 デスクトップPC、ハイスペックPC向け カスタマイズレッツノート
    FC/SCプレミアムエディション
    カスタマイズレッツノート
    FC/SCスタンダードモデル
    デスクトップPC、ハイスペックPC向け カスタマイズレッツノート
    QRプレミアムエディション
    カスタマイズレッツノート
    QRスタンダードモデル
    低価格帯PC向け

    関連リンク(インテル Core i7)
    関連リンク(インテル Core i5)

    Core™ Ultraシリーズの特長について

    2024年10月には、Core™ Ultraのシリーズ2が発売され、インテル®のプロセッサーはますます高性能化が進んでいます。

    最新製品の一部をご紹介します。

    シリーズ2 シリーズ1
    CPU

    Core™ Ultra 9 285K

    Core™ Ultra 7 265K

    Core™ Ultra 5 245K

    Core™ Ultra 9 185H

    Core™ Ultra 7 165H

    Core™ Ultra 5 135U

    PassMark(M)※1 ※2

    68800

    59223

    43682

    29420

    26385

    17652

    PassMark(S)※1 ※3

    5268

    4886

    4682

    3991

    3886

    3599

    C_R23(M)※2※3

    42620

    36240

    25188

    16750

    -

    -

    C_R23(S)※2※4

    2380

    2291

    2175

    1849

    -

    -

    TDP※5

    125

    125

    125

    45

    28

    15

    コア/スレッド数

    24/24

    20/20

    14/14

    16/22

    16/22

    12/14

    最大周波数(GHz)

    5.7

    5.5

    5.2

    5.1

    5.0

    4.4

    • ※1PassMark® Software社が提供するCPU性能評価の値です。
    • ※2Maxon社が提供するベンチマークソフトCinebenchが計測したCPU性能評価の値です。
    • ※3すべてのコアを使用した場合のスコアです。
    • ※4単一のコアを使用した場合のスコアです。
    • ※5Thermal Design Power(熱設計電力)。設計上想定される最大放熱量を指します。
    • ●CPU 単体での性能比較です。数値は参考値です(2024年11月25日時点)。

    Core™ Ultra はWindows 11に対応している?

    最新OSであるWindows 11への無償アップグレードの条件のひとつとして、CPUが第8世代以降であること(Intelの場合)とMicrosoftから発表されています。
    Core™ Ultra5/7/9もサポート対象となっています。

    (参考)Windows 11が動作する「ハードウェア要件/仕様の最小要件」

    プロセッサ 1GHz以上で2コア以上の64bit互換プロセッサまたはSoC
    メモリ 4GB以上
    ストレージ 64GB以上
    システムファームウェア UEFI/セキュアブート
    TPM TPM 2.0
    ビデオカード DirectX 12以上(WDDM 2.0に対応)
    ディスプレイ 9型以上で8bitカラーの720pディスプレイ以上

    Core™ Ultraの選び方

    Core™ Ultra搭載パソコンを選ぶときは、Core™ Ultra 5・7・9という性能クラスだけで決めず、NPU性能、型番の末尾記号、メモリーやストレージなどを総合的に確認しましょう。

    利用したいAI機能とNPU性能で選ぶ

    まずは、どのようなAI機能を利用したいかを整理しましょう。Web会議の背景処理やノイズ除去などを中心に使う場合と、画像生成や動画編集など負荷の高いAI処理を行う場合では、必要なNPU性能が異なります。
    Copilot+ PCの機能を利用したい場合は、40TOPS以上のNPUを搭載した対応プロセッサーと、必要なメモリー・ストレージを備えた製品を選ぶ必要があります。
    また、利用予定のアプリがNPUに対応しているかも確認しましょう。NPU性能が高くても、アプリが対応していなければ、その性能を十分に活かせない場合があります。

    性能クラスと末尾記号で選ぶ

    日常的なオフィス作業が中心であればCore™ Ultra 5、複数のアプリを同時に使う機会が多い場合や、画像・動画編集も行う場合はCore™ Ultra 7が候補になります。より負荷の高い制作作業などではCore™ Ultra 9も検討しましょう。
    また、モバイル向けの「H」は高性能を重視したタイプ、「U」は省電力性を重視したタイプです。「V」はシリーズ2のLunar Lakeを示し、省電力性とNPU性能を重視した薄型モバイルパソコンなどに採用されています。
    シリーズ3には末尾記号がない製品もあるため、記号だけでなく、CPUコア数や内蔵GPU、パソコン本体のサイズ・重量もあわせて比較しましょう。

    メモリー・ストレージ・本体設計も確認する

    パソコンの快適さは、CPUだけで決まりません。複数のアプリを同時に使う場合やAI機能を活用する場合は、メモリー容量にも余裕を持たせましょう。
    一般的なビジネス用途では16GBがひとつの目安ですが、画像・動画編集や大容量データの処理を行う場合は32GB以上も候補になります。
    ストレージは、保存するデータ量やアプリの容量に合わせて選びます。また、高性能なCPUを安定して動かすには、パソコン本体の冷却設計も重要です。
    持ち運びやすさ、バッテリー駆動時間、端子の種類、通信機能なども含め、実際の使い方に合う1台を選びましょう。

    Core™ Ultraの購入がおすすめな人

    ビジネスをより効率的に進化させたいと考えている方は、ぜひCore™ Ultraの高性能を実感してみてください。たとえば会議の議事録・要約や、ビジュアルも含めた営業資料などの作成のほか、これまで専門家が行っていたような画像や動画コンテンツの生成さえも可能になりました。
    また、GPUが進化したことでグラフィック性能が大幅にアップしているため、ゲームや動画編集などのマルチメディア系アプリケーションも快適に動作します。仕事や趣味でゲームやクリエイティブ活動を効率よく行いたい方にも、Core™ Ultraは大変おすすめです。

    カスタマイズレッツノートはCore™ Ultra搭載モデルをご用意

    現在の販売状況

    該当するモデルがありません。

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    • ※ 記載の出荷日はあくまで目安となりますので、変更となる場合がございます。

    最後に

    今回は、最新世代CPU「Core™ Ultra」についてご紹介させていただきました。
    AIを活用する場面が急速に増えていている昨今。また情報漏洩リスクも高まっており、セキュリティ面の強化も求められています。その性能を支える大きな役割を担うCPUがCore™ Ultraなのです。
    より効率的な仕事のために、クリエイティブな活動に、ぜひCore™ Ultraをお選びください。

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