PMS(月経前症候群)とは?

PMS(月経前症候群)とは、生理が始まる3~10日ほど前から現れる、心や体の不調の総称です。症状の種類や程度には個人差があり、同じ人でも月によって現れ方が異なることもあります。大きな特徴は、生理が始まると自然に症状が軽くなる、または消失することです。症状が強い場合は、日常生活や対人関係に支障をきたすこともあります。
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生理前の心身に現れる主な症状

PMSの症状は、精神面と身体面に大きく分けられます。症状の種類や感じ方には個人差があり、月によって現れ方が異なることもあります。代表的な症状は、次のとおりです。
- 精神面:イライラ、不安、気分の落ち込み、感情の起伏、無気力、集中力の低下
- 身体面:乳房の張り、だるさ、眠気、頭痛、腹痛、体重増加
PMS(月経前症候群)症状チェックリスト

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チェック |
心の症状 |
チェック |
身体の症状 |
|---|---|---|---|
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□ |
希望が持てなかった |
□ |
疲れやすかった、だるかった、元気が出なかった |
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□ |
不安と緊張を感じた、ピリピリしていた、ギリギリな感じだった |
□ |
特定のものを食べたくてしかたなかった |
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□ |
気分に波があった(急に悲しくなったり涙が出たりした) |
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寝過ぎた、居眠りをした、起きづらかった |
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□ |
人と衝突したり、うまくいかなかったりした |
□ |
乳房の張り、体重増加があった |
参照:池田裕美枝, 江川美保. 短縮版Daily Records of Severity of Problems(DRSP)8項目の記憶型尺度“Premenstrual Syndrome Short Scale 8 items(PMS-8)”への応用と,妥当性および信頼性の検討. 心身医学. 2024;64:152-60.
PMSが起こる主な原因

PMSのはっきりとした原因はわかっていませんが、排卵後の黄体期後半に起こるエストロゲンとプロゲステロンの急激な低下が関係すると考えられています。また、神経伝達物質の一つであるセロトニン活性の低下も、心身に現れる症状に関係するとされています。

女性ホルモンの急激な変化
排卵日頃にはエストロゲン(卵胞ホルモン)、黄体期にはプロゲステロン(黄体ホルモン)の分泌量が高まります。妊娠が成立しなかった場合、生理が近づくにつれて、これらのホルモンが急激に減少します。こうしたホルモン分泌量の変動が、むくみや食欲の増加、イライラなど、PMSによるさまざまな不調を引き起こすといわれています。
脳内物質の活性の低下
生理が始まる前には、エストロゲンの分泌量が低下します。これに伴い、神経伝達物質であるセロトニン活性も低下し、抑うつなどの精神的な不調が現れやすくなると考えられています。女性ホルモンのエストロゲンと脳内物質のセロトニン活性の低下が複雑に影響し合って、PMSによる精神的な不安定さにつながるとされています。
PMSになりやすい人の特徴は?

PMSは誰にでも起こり得ますが、なりやすさには個人差があります。生活習慣によって症状が現れやすくなるほか、年齢や出産経験、就労などのライフステージによって、症状の現れ方や強さが変化する傾向があります。
性格面で見られる特徴
まじめで完璧主義な人、我慢強い人、一人で抱え込みやすい人はPMSになりやすいのでは?と言う人がいますが、性格とPMSとの関連性は報告されていません。ストレスや心理的苦痛、トラウマ(性的虐待など)はPMSに関係するとされ、その程度によって、PMSの症状の現れ方や強さが変わる可能性があります。
生活習慣で見られる特徴
不規則な生活や過労にある人、喫煙・飲酒・カフェイン摂取の習慣がある人は、PMSになりやすいとされています。睡眠不足や生活リズムの乱れも、心身の負担につながるため注意が必要です。十分な睡眠をとり、栄養バランスのよい食事を心がけることは、PMSの症状を和らげるためにも大切です。
ライフステージでの特徴
PMSは思春期頃から症状が現れ、20~40代の女性に多いとされています。また、年代によって症状の現れ方にも違いがみられます。
PMSによるイライラは、子どもやパートナーなど、身近で大切な相手に向かってしまうことが少なくありません。そのため、自己嫌悪に陥る人も多いですが、あなたのせいではなく、女性ホルモンの急激な変動が原因です。自分を責めないでください。
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年齢 |
PMS症状の傾向 |
|---|---|
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10~20代 |
にきび、眠気など |
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30代 |
気力の低下、不安感、気分の波、イライラ、集中力の低下、だるさ、眠気、乳房の張り、お腹の張り、頭痛、体重増加など |
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40代以降 |
不安感が強くなるなど |
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PMSのセルフケア方法

PMSの対処法は、十分な睡眠や適度な運動、栄養バランスのよい食事など、規則正しい生活を心がけること。また、毎日の症状や基礎体温を記録しておくと、不調が現れる時期や自分のパターンを把握しやすくなります。症状が出やすい時期は無理をせず、リラックスして過ごしましょう。
婦人科での治療方法

セルフケアを続けても症状が改善せず、日常生活に支障がある場合は、我慢せず婦人科に相談しましょう。治療には、低用量ピルなどによる排卵抑制療法のほか、症状に応じて鎮痛剤や精神安定剤、SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)などを用いる対症療法、漢方療法があります。医師と相談しながら、自分の症状に合った適切な治療を選ぶことが大切です。
専門医を受診する目安

PMSの症状で学校や仕事に行けない、人間関係に影響するなど、日常生活に支障がある場合は、婦人科を受診しましょう。精神症状が強い場合は、PMDD(月経前不快気分障害)の可能性もあります。妊娠初期と症状が似ていますが、妊娠では生理予定日を過ぎても症状や基礎体温の高温期が続きます。妊娠の可能性があれば検査薬で確認しましょう。
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まとめ
PMSは、生理前に心身の不調が現れ、生理が始まると自然に軽快したり消失したりするのが特徴です。現れ方には個人差があるため、日々の症状や基礎体温を記録し、自分のパターンを把握しましょう。日常生活に支障がある場合は、我慢せず、婦人科に相談することが大切です。
