パソコンのメモリーとは?ストレージとの違いやおすすめ容量をわかりやすく解説!パソコンのメモリーとは?ストレージとの違いやおすすめ容量をわかりやすく解説!

パソコンの性能を語るときによく耳にする「メモリー」と「ストレージ」。どちらもデータを扱う装置ですが、役割や働きはまったく異なります。メモリーは作業中のデータを一時的に保存する“作業机”とするなら、ストレージは写真や文書などを長期間しまっておける“本棚”だと言えます。
この記事ではメモリーとストレージの違いをわかりやすくまとめ、CPUとの関係やメモリーの種類についても解説します。

目次

    パソコン(PC)のメモリーとは?

    パソコンのメモリーはデータを記憶するパーツのことで、英語で「記憶」を意味するmemoryからきています。大きく分けて、読み書き両方できるRAM(random access memory)と読み出し専用のROM(read only memory)の2種類がありますが、一般的にデスクトップパソコンやノートパソコン、スマートフォンなどのスペックで提示されるメインメモリーは、前者のRAMのことを指します。
    メモリーは用途や役割を説明する上で、作業机に例えられることがよくあります。
    メモリーの容量が大きければ大きいほど机が広く、様々な作業を並行して行うことができます。これがメモリーがパソコンの動作速度に直結している所以です。

    PCのメモリーとストレージの違い

    パソコンの内部には「CPU」「メモリー」「ストレージ」という3つの主要なパーツがあり、それぞれ役割が違います。
    CPUは計算や制御を担当する“パソコンの頭脳”で、高性能なCPUほど複雑な処理を素早く実行します。
    メモリー(RAM)はCPUが処理するデータを一時的に置いておく作業台のような存在で、頻繁にデータが入れ替わります。端末の電源を切ると内容が消えてしまう揮発性メモリーのため、保存用ではなく処理用の領域です。メモリーが少ないと何度もストレージからデータを読み出す必要があり、そのたびに待ち時間が生じます。
    一方、ストレージはSSDやHDDに代表される長期保存用の記憶装置で、パソコンの電源を切ってもデータが残ります。写真や文書データなど膨大な情報を保管できるのが特徴で、大容量のストレージを選べば保存できるデータ量が増えます。ただしアクセス速度はメモリーより遅く、CPUはまずメモリーにデータを読み込んでから処理を行います。メモリーは“机”、ストレージは“引き出し”、そしてCPUは“作業する人”という例えで覚えるとイメージしやすいでしょう。

    パソコン処理のイメージ図 パソコン処理のイメージ図

    メモリーとストレージの違い

    比較項目 メモリー(RAM) ストレージ(SSD/HDD)
    役割 作業中のデータを一時的に記録 文書や写真などを長期間保存
    保存期間 電源を切ると内容が消える(揮発性) 電源を切ってもデータが残る(不揮発性)
    典型的な種類 DRAM、SRAM SSD、HDD
    容量の目安 数GB〜数十GB 数百GB〜数TB
    アクセス速度 非常に高速(CPUに近い) メモリーより遅いが大容量
    コスト/GB GB単価は高め GB単価は低め
    CPUとの関係 CPUが処理するデータを受け渡す作業台 メモリーやCPUにデータを提供する引き出し
    例えるなら 引き出し

    メモリーが不足するとどうなる?

    使用シーンに合わせたおすすめのメモリー容量についてご紹介しましたが、もしもメモリー容量が足りなかった場合は、以下のような支障が出ることもあります。

    ・動作が重くなり作業効率が落ちる
    ・アプリケーションの立ち上げ時や、ファイルの編集時などにフリーズする
    ・そもそも使いたいアプリケーションが立ち上がらない
    ・パソコンの電源が落ちる

    動作が重くなるのはもちろんのこと、最悪の場合、パソコンの電源が頻繁に落ちるようになってしまうといった事態も考えられます。
    メモリーやCPUの高性能化にあわせて、アプリケーションはより多機能となる傾向にありますので、最先端の動画編集や高解像度の画像編集アプリを使用したいという方は、なるべく大容量のメモリー搭載をおすすめします。

    PCのメモリーの調べ方

    搭載OSがWindows 11の場合、以下の手順でPCのメモリー容量を確認できます。

    • 1.タスクバーのWindowsアイコンを右クリック
    • 2.[システム]をクリック
    • 3.バージョン情報が表示されるので、そこでメモリー容量を確認
    メモリーの調べ方のイメージ図

    メモリーを増やすにはどうしたら良い?

    パソコンのメモリー不足を解消するためには、増設が最も効果的です。
    ただ、メモリーの増設にはいくつか注意点も。それらの注意点について、以下で詳しくご紹介します。

    メモリーを増設できない可能性がある

    そもそも増設ができないパターンもあります。パソコンにメモリーを増設する際は、メモリースロットの空きを一度ご確認ください。メモリースロットに空きがなければ、メモリーは増設できません。
    コンパクトパソコンやノートパソコンの場合、スペースを節約するために、メモリースロットの数がもともと少ない製品があるため、特に注意してください。

    そういったときは、メモリーを増設するのではなく、現在使用しているメモリーを外して、よりも容量の多いものに交換する必要があります。
    製品によってはメモリーが固定されていて、交換ができない場合もありますので、メモリーの交換を検討する際はご注意ください。

    メモリーは2枚1組で増設しよう

    パソコンにはデュアルチャンネルという同じ容量のメモリー2枚に同時にアクセスすることで、効率良くメモリーを使うことのできる機能を搭載しています。そのため、パソコンのメモリーは2枚1組で実装するのが基本となっています。

    例えば、購入したパソコンのメモリーが8GBの場合、基本的には4GBのメモリーが2枚設置されています。このとき両方のメモリーを8GBに交換することで、パソコンのメモリーを16GBに増設できます。片方のメモリーだけを8GBに交換することも可能ですが、その場合はデュアルチャンネルの機能を利用できません。

    メモリーの増設・交換は自分でやらないほうがいい

    自身でメモリーの増設や交換を行う場合、基本的には自己責任になります。
    規格の合わないメモリーを無理に取り付ける行為や、強引に取り外す行為は故障の原因となります。また、パソコンそのものが精密機器のため、体に帯びている静電気をしっかりと除去しなければ、メモリー以外の部品の動作に影響が出てしまうかもしれません。

    自身で行ったメモリーの交換が原因で故障した場合、保証の対象外になってしまうことがあります。増設や交換は、必ず購入した店舗やメーカーに依頼しましょう。

    メモリの種類

    メモリーにはランダムアクセスメモリー(RAM)と読み出し専用メモリー(ROM)があり、RAMはさらにDRAMやSRAMに分けられます。それぞれ構造や速度、用途が異なるため、特徴を理解して選ぶことが大切です。

    RAM(ラム)

    RAM(Random Access Memory)は、任意の位置のデータを高速に読み書きできる揮発性メモリーで、パソコンやスマートフォンの主記憶装置として広く使われています。順序通りにしかデータを取り出せないテープ式記憶装置とは異なり、ランダムにアクセスできるのが特徴です。電源を切ると内容が消えるため一時的なデータ保存に用いられます。スペック表の「16GB」「32GB」などの数字はこのRAM容量を表します。

    DRAM(ディーラム)

    DRAM(Dynamic Random Access Memory)は、メモリーセル内のコンデンサに蓄えた電荷でデータを保持する揮発性メモリーです。電荷は自然に放電するため、データを維持するには定期的なリフレッシュ(再書き込み)が必要です。構造がシンプルで高密度に集積でき、容量あたりのコストが低いことから、パソコンのメインメモリーとして広く使用されています。ただし後述するSRAMに比べると速度はやや遅めです。

    SRAM(エスラム)

    SRAM(Static Random Access Memory)は、フリップフロップ回路を用いてデータを保持するメモリーで、外部からの操作がなくても安定して状態を維持できます。電源が供給されている限りデータを保持できるためリフレッシュが不要で、読み書きが高速で消費電力も少ない点が特徴です。しかしフリップフロップ回路は構造が複雑で集積度が低く、大容量化には不向きなため、主にCPU内部のキャッシュメモリーなど高速処理が必要な用途に限定して使われます。

    ROM(ロム)

    ROM(Read Only Memory)は読み出し専用メモリーで、電源を切ってもデータが消えない不揮発性メモリーに分類されます。基本的な制御プログラムや起動処理のように書き換えの必要がない情報の保存に使われ、かつてはゲームソフトや家電製品などに広く利用されました。中でも「マスクROM」は製造段階でデータを埋め込み、量産に向いていますが、一度書き込むと変更できないという特徴があります。最近では書き換え可能なフラッシュメモリーが一般的で、スマホのROMやパソコンのSSDなどはこの一種です。

    実際に必要なメモリーの容量

    ここまで、メモリーの用途や役割について説明してきました。では、実際にメモリーはどれくらいの容量を選べば良いのだろう? という方に、使用シーンごとにおすすめの容量についてご紹介します。

    日常生活での使用
    【8GB~】
    ビジネス/ゲーム等で使用
    【16GB~】
    複数の作業や大容量データを使用
    【32GB~】
    • ・Webページの閲覧だけであれば4GBのメモリーでも問題なく使用できます。しかし、Webブラウザで複数のページを開いたり、Officeの使用と並行するなどのマルチタスク作業を行う場合、4GB以下では容量不足に陥ることが多く、処理に時間がかかったりと作業効率の低下に繋がります。実際の作業環境では複数のタスクを同時に実施しているケースが多いため、快適な作業環境を担保するためには、8GB以上のものをおすすめします。
    • ・ビジネス用途では、テレワークへの移行に伴い急速に普及したZoom・Microsoft Teams等のWeb会議用アプリケーションや、Office等を同時に使用するシーンが多く想定されるため、16GB以上のものをおすすめします。
    • ・軽いゲームであれば8GBでも遊べますが、グラフィックが精彩になった昨今のゲームでは、16GB以上のメモリーが必要な場合がほとんどです。ゲームによっては16GBでもメモリーが足りず動作が重くなるケースもあり、また、ゲームと並行してWebページの閲覧など他のタスクを開く場合は16GBでも物足りなくなるかもしれません。
    • ・先ほども述べたゲームと他タスクとの並走や、動画編集、画像編集等の大容量データを使用した作業では、16GBでも足りないことが多いため、32GB以上のメモリーをおすすめします。最近ではノートパソコンでも32GB以上のメモリーを搭載している機種もあるため、モバイル性との両立も可能です。

    おすすめは必要量より多め

    現在の使用目的に合わせてメモリーを選ぶのが基本ですが、将来を見据えて必要量よりも多めにしておくのがおすすめです。

    あとから「もう少し容量が欲しい」と思っても、ノートパソコンではメモリーの増設ができないケースが多いです(レッツノートもメモリーの増設はできません)。
    購入後に使い方が変わったり、同時に開くアプリが増えたりしても、余裕のあるメモリーを選んでおけば安心です。

    カスタマイズレッツノートなら最大64GBのメモリーを搭載

    カスタマイズレッツノートはメモリー容量最大64GBのラインナップもご用意しています。また、通常のラインナップでも16GB/32GBなので、Office等のビジネス用途はもちろん、重たいアプリケーションでもストレスフリーに使用することができます。3シリーズそれぞれに特長があるので、ご自身のスタイルに最適なモデルの中から、メモリー容量も自由にお選びいただけます。

    • *SC/FCのみ。
    • ※レッツノートは購入後のメモリー増設はできませんので、ご購入の際に最適なメモリー容量をご選択ください。

    カスタマイズレッツノートなら、
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    パナソニック ストア プラスでカスタマイズレッツノートをご購入いただいたお客様*1だけにご提供している当店限定のサービスです。ご利用から一定期間を経過したカスタマイズレッツノートをお預かりし、クリーニングや点検・追加メニューの対応を行った後に診断書をつけてお返しします。

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    最後に

    今回はパソコンのメモリーがどういうものか、役割や容量の選び方についてもご紹介させていただきました。
    パソコンの性能に大きく関わってくるメモリー。特にノートパソコンはご自身でメモリーを増設するのが困難であったり、そもそも増設ができない端末もあります。

    どのような作業を行うかにより必要なメモリー容量が異なりますので、ご自身のスタイルに合わせた容量選択のご参考にされてみてください。

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