不正出血の対処法は?
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不正出血の対処法は?
月経以外に性器から出血することを「不正出血」といいます。不正出血があると誰もがびっくりしてしまいますし、「大きな病気の兆候じゃないか」と焦ってしまうもの。でも、一口に「不正出血」といっても、大量に鮮血が出るときもあれば、少量の血液がおりものに混ざるときもあり、症状も原因もさまざま。不正出血にはどんな病気の可能性が隠れているのか、また、どのように対処すれば良いのか、ひとつずつ確認してみましょう。
まずは、不正出血の原因を見極める
不正出血の原因はいろいろあります。
思春期や更年期などホルモンバランスが崩れやすい時期に起きるものや、子宮頸がんや子宮体がんなど腫瘍によるもの、さらに、性感染症によるものもありますし、妊娠初期に起きることもあります。
原因によって対処法が変わってきますので、まずは、なぜ不正出血が起きたのか、原因を見極めることが必要です。
「危険な不正出血」と「心配のいらない不正出血」は、医師の判断が必要
これらのなかには、できるだけ早く婦人科で診察を受けた方が良い不正出血と、特に心配のいらない不正出血があります。たとえば、ホルモンバランスの崩れによる不正出血は、多くの女性に起こりうるものなのでそれほど心配はいりませんが、腫瘍による不正出血は、できるだけ早く医師の診察を受け、治療を行う必要があります。
そのほか、性感染症に感染している場合には、知らないうちにパートナーに病気をうつしてしまうほか、長期間放置すると不妊の原因になったりすることもあります。
そのため、不正出血が起きた場合には、きちんと原因を見極め、適切に対処することが必要です。
こんな不正出血は見逃さないで
できるだけ早く婦人科で診察を受けた方が良い不正出血とはどのような場合なのでしょうか。
- 出血量が多い
- 不正出血を何度も繰り返す
- 2週間以上、不正出血が続いている出血により、貧血気味。ふらふらする
- 痛みを伴う
- 現在、妊娠している。もしくはその可能性がある
- 閉経後なのに出血した
これらに当てはまる場合は、できるだけ早く婦人科で検査してもらうようにしましょう。
もちろん、これらに当てはまらない場合でも、「自分は大丈夫」と安易に自己判断するのは禁物です。不正出血の裏に重大な病気がかくれている可能性もありますので、気になったらきちんと検査を受けて把握しておくようにしましょう。
病院ではどんな検査をするの?
病院では、出血の部位や原因を特定するために、問診や内診、超音波検査などを行います。場合によっては、ホルモンの状態を確認する血液検査などを行うことも。また、婦人科健診を受けていない場合は、子宮頸がんや子宮体がんの検査を追加することもあります。
そのほか、感染症が疑われる場合には、おりものの検査などを行って感染症にかかっていないか、調べることもあります。必要に応じて医師の判断で検査が選ばれます。
原因が特定されれば、それぞれに適した治療が行われます。出血がひどくて貧血気味の場合には、血液検査を行って、必要に応じて鉄剤を投与することもあるでしょう。また、ホルモンバランスの崩れによる不正出血には、ピルを服用して対処することもあります。
いずれにしても、原因を追求してそれぞれに適した処置を行うことが不可欠。不正出血が起きた場合には、できるだけ早めに医師の診察を受けるようにしましょう。
【制作】『からだにいいこと』 株式会社セントラルメディエンス コミュニケーションズ
監修者
池田裕美枝先生
医学博士、産婦人科専門医、内科認定医、社会医学系専門医