生理・PMSについて

月経不順と無月経について

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月経不順と無月経について

痛みや不快などの症状がなくても、月経サイクルが崩れたり、月経がなかったりすることは、体や心からのシグナルです。こうした月経トラブルの背景にはホルモンバランスの崩れや体調不良のほか、重大な病気が隠れている場合もあるので、自己判断は禁物です。

月経不順とは

月経開始日を1日めとして、そこから次の月経開始日の前日までを月経周期といいます。

正常な月経周期は25〜38日です。これよりも短い(24日以内)・長い(39日以上)状態は月経不順の可能性があります。

月経周期は、ホルモンバランスのゆらぎや体の状態を教えてくれるもの。健康な女性でも、疲労やストレスで短期的に月経不順になることはよくあります。

40代後半からは前後からは月経の周期がゆらぎ始める方が多く、次の月経がいつか正確には分からない状況が出るかもしれません。周期は変わらなくても、量が減った、増えた、期間が長くなった、少量出血してから月経が始まるようになったなど、様々な変化を経験することもあります。これが更年期の始まりです。月経がまるまる1年来なかったときに、それを閉経といい、現在は平均50 歳前後になります。

月経周期が24日より短い場合

月経周期が24日より短い場合を「頻発月経」と言います。頻発月経の原因としては、ストレスや更年期などによるホルモン分泌の不安定さ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)等による無排卵性出血などがあります。

月経周期が39日より長い場合

月経周期が39日より長い場合を「稀発月経」といい、90日以上のことを「無月経」と言います。稀発月経の原因はストレス・睡眠不足などによるホルモンバランスの乱れ、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などがあります。

月経不順・無月経とやせや低栄養、肥満の関係

体脂肪率が低いと、脳の深いところで飢餓状態である、と判断し、排卵しないようにブレーキをかける仕組みがあります。飢餓状態で妊娠すると種の保存に不利であるため、長い進化の歴史の中でそのように変化したのだろうと考えられています。体脂肪率が17%以下になると無月経が起こるリスクが高まります。

一方、BMI25.0以上の「肥満」では、副腎や脂肪細胞からのホルモンの異常分泌によって、月経不順や排卵障害のリスクが高まり、63%に無月経、稀発月経、過少月経などが見られます。 

月経不順の場合は「無排卵周期症」にも注意

月経周期が不順の場合は、月経のような出血があっても排卵がおこらない「無排卵周期症」である場合もあります。月経不順とあわせて月経持続期間も短かったり長かったりと安定せず、排卵がおこらないので基礎体温が一相性で高温期がないのが特徴です。基礎体温をチェックして、あてはまる場合は医師に相談してみましょう。

【制作】『からだにいいこと』 株式会社セントラルメディエンス コミュニケーションズ

監修者

池田裕美枝先生

医学博士、産婦人科専門医、内科認定医、社会医学系専門医