年齢と月経の変化
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年齢と月経の変化
個人差はありますが、初潮が来る10~14歳から閉経する50歳前後まで、約35~40年ほど女性は月経と付き合うことになります。その中でも、更年期に入ると閉経に向けて女性ホルモンが大きく変化するため、月経にも大きな影響が現れます。年齢と月経の変化の関係性を学び、ご自身の体の変化に備えましょう。
卵胞の数と閉経
女性は、卵巣のなかに卵子の元となる卵胞をたくさん持っており、毎月1つずつ卵胞が成熟、排卵されます。排卵後は、排出された卵が子宮の中で育ちやすいように、ホルモンの力で子宮内膜がフカフカに育ちますが、受精が成立しないとホルモンの分泌が止まり、不要となった子宮内膜が剥がれ落ち月経がおこります。月経は一般的には25~38日の周期で繰り返されます。
年齢を重ねるごとに、もともと持っていた卵胞の数は減っていき、30後半を過ぎたころから急激に減少し、閉経の時期になるとほぼすべて閉鎖卵胞となって消滅するといわれています。このように卵胞の数の減少に伴う卵巣の機能が低下することにより閉経がおこります。

月経周期や月経量の変化
卵胞の数が減り、卵巣の機能が低下してくると、先ずは月経周期が短くなっていきます。
これは、卵胞から分泌されている女性ホルモンの量が減少するため、脳の司令部から女性ホルモンの分泌を促す指令が増加。これにより卵巣がいつも以上に刺激され、その刺激により排卵が普段の周期より早いタイミングでおこるからです。また、女性ホルモンの分泌量が少なくなると、子宮内膜を育てる期間も短くなり、結果的に月経周期が短くなります。
不足している女性ホルモンの分泌を脳が一生懸命に増やそうと働きかけるため、月経周期が短くなることに加え、月経日数自体が少なくなる、少量の出血がだらだら続くなど変化が現れます。
また、月経量も極端に増えたり減ったりすることがあります。今までホルモンが安定していた間は、月経の度に子宮内膜がしっかりとはがれ落ち、子宮の中の壁が毎回きれいにリセットされていましたが、加齢によりホルモンバランスが崩れることで、子宮内膜がうまくはがれなくなってしまいます。すると、はがれ落ちず滞留して厚くなりすぎた子宮内膜が一気にはがれることで大量に出血する過多月経を起こしたり、ダラダラと子宮内膜の排出が続く過長月経が起きます。
40歳を過ぎると、月経周期や月経量において、今までと違う変化が起きることがあります。月経期間が短くなったり、逆に長くなったり、30日周期だったのが23日周期になる、出血量が変化するなど、人によってさまざまです。

でもやはり、検診や受診は大事
女性ホルモンの崩れによる不正出血は、機能性出血と言われ、一般的には問題ないことが多いですが、極端に出血量が増えたり長期間出血が続くことで貧血などを起こしたりする可能性があります。また、出血の背景に子宮の病気が隠れている可能性がありますので、定期的検診や不正出血が続く場合は婦人科の診察を受けるようにしましょう。

【制作】『からだにいいこと』 株式会社セントラルメディエンス コミュニケーションズ
監修者
池田裕美枝先生
医学博士、産婦人科専門医、内科認定医、社会医学系専門医