プレ更年期という言葉、聞いたことありますか？

30代後半～40代女性は、仕事でも家庭でも負担が大きい一方で、年齢にともなうメンタル症状や、忙しくて睡眠時間が短いことによる不調などが現れがちです。この年代の、マルチタスクの疲労からくる自律神経症状を「プレ更年期」と言われることがありますが、これはメディアがつくった言葉で、実は医学的に「プレ更年期」はありません。

いわゆる「プレ更年期」とはいつのこと？

まず、更年期とは、閉経前の5年間と閉経後の5年間とを合わせた10年間のことを言います。これは医学的に定義されています。
個人差はありますが、日本人の平均閉経年齢は約50歳ですので、一般的な更年期は45歳～55歳と言われています。
更年期は閉経によって体に変化が起きる時期のことを指しますが、一方でいわゆるプレ更年期は、30代後半から40代半ばの時期のことを指しています。

プレ更年期とは、マルチタスクで休めていないことによる自律神経不調

プレ更年期といわれる不調は、様々な役割をこなすために休みなく動くために自分でも気付かないうちに疲労をためこみ、自律神経のバランスが崩れている状態であることが多いのです。世界一短いといわれる日本人の睡眠時間ですが、その中でも30代女性は最も眠れていないというデータもあります。まずは十分眠れているか、自分のためのリラックスタイムが短くてもとれているかなどを振り返ってみましょう。

この時期はホルモンバランスも変化

女性の体は、卵巣から分泌される2種類の女性ホルモン『卵胞ホルモン(エストロゲン)』と、『黄体ホルモン(プロゲステロン)』の影響を大きく受けています。閉経時には、卵巣の活動性が無くなるため女性ホルモンの分泌量が著しく低下し、ホルモンバランスが崩れることで、体に様々な症状・変化が出てきます。プレ更年期といわれる時期は、更年期ほどの急激な女性ホルモン減少ではありませんが、少しずつ閉経に向けて女性ホルモンが減少するため自律神経も不安定となりやすく、少なからず体への影響が出てきます。

プレ更年期の心の不調・変化

• イライラすることが増えた
• 集中力が続かない、頭がぼーっとする時間が増えた
• 意欲、やる気がでないことが増えた
• 不安になる、憂うつになることが増えた

PMSのある人は、この時期メンタル症状が強く出ることがあります。

 プレ更年期を快適に過ごそう

• 規則正しいバランスのとれた食事、十分な睡眠、適度な運動

毎日の生活を整えるということは、自律神経を整えることにもとても重要です。体を冷やさないような、バランスの良い食事、適度な運動と睡眠で自律神経を整えましょう。

• 体を温める

特に子宮・卵巣を含むお腹部分を冷やさないようにしましょう。また、手足の冷えを感じる場合は、手先や足先を温めることで、冷え切った血液が内臓にめぐることを防ぎます。暖かい季節でも、足元が冷える場合は暖かい靴下やレッグウォーマーなどで冷やさないようにしましょう。夏場は冷房にあたる機会も多いと思います。冷房等で体を冷やしすぎないようにしましょう。

• できるだけストレスをため込まない

疲労がたまっているところにストレスを抱えてしまうと、いつも以上に心理的症状を強く感じてしまいます。強いストレスは自律神経の乱れにもつながり、症状を助長してしまう可能性もあるため、うまくストレスを発散できるような過ごし方をしましょう。

プレ更年期にあたる年齢は、婦人科疾患を抱える人が増える時期でもあります。心身の変化が疲労や睡眠不足、女性ホルモンの影響である可能性はありますが、婦人科で定期的に超音波検査や子宮がん検診を受けることも大切です。自律神経症状に悩む場合は投薬等による治療法もあるため、定期的な検診を通してかかりつけ医の婦人科医や内科医と相談してみるのも良いでしょう。

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