女性の体の基礎知識

女性なら受けておきたい検査

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女性なら受けておきたい検査

女性には女性ならではの疾患があります。
そんな疾患を予防・早期発見するために女性が受けることが推奨される検査には、主に子宮がん検診・乳がん検診・性感染症検査があります。

おさえておきたい女性の検査

■子宮がん検診

子宮がん検診には子宮頸部細胞診や子宮頸部HPV検査、子宮内膜細胞診、子宮超音波(エコー)検査などがあります。

  • 子宮頸部細胞診:20歳から定期的に2年に1回の受診が推奨されています。子宮頸部から細胞を採取し、顕微鏡で検査することで、細胞の異常を発見することができます。
  • 子宮頸部HPV検査:30歳以上の女性に対して、子宮頸がん検診の補助検査として実施されることがあります。HPV(ヒトパピローマウイルス)とは、子宮頸部に感染するウイルスであり、感染することで子宮頸がんのリスクが高くなります。
  • 子宮内膜組織診・細胞診:40歳以上で月経不順がある場合や出血が続いており、超音波所見などから医師が勧めた場合などに検査します。子宮体がん(子宮内膜がん)のリスクを確認することができます。
  • 子宮超音波検査:骨盤内部を超音波で撮影することで、子宮内膜や子宮筋層の異常、卵巣腫瘍などを発見することができます。経腹超音波検査と経腟超音波検査があります。

■乳がん検診

乳房のマンモグラフィ検査や乳房超音波(エコー)検査、乳房MRI検査などがあります。

  • マンモグラフィ検査:40歳から2年に1回受けることが推奨されています。ただし、家族に乳がんの既往歴がある場合など、早期からの検査が必要な場合には、年齢にかかわらず受けることが推奨されることもあります。 
  • 乳房超音波検査:30歳から40歳までの女性に対して、乳がん検診の補助検査として実施されることがあります。 
  • 乳房MRI検査:高リスク※な女性に対して、マンモグラフィ検査や乳房超音波検査と併用して行うことがあります。

※家族に乳がんの既往歴がある場合などを指します。

また、乳がんの早期発見には定期的な自己乳房検診も重要であり、月に1回程度は体を洗う際などに自分自身で乳房を触診することが推奨されています。
子宮がんも乳がんも、早期発見が治療の成功率を高めるため、定期的な検査を受けることが重要です。

■女性ホルモン検査

血液検査で、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲン、プロゲステロン、脳下垂体から分泌される卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、プロラクチンを測定する検査です。ホルモン検査では、卵巣機能の状態と、その原因を確認することができます。月経不順や無月経などの症状がある人は、受けてみるとよいでしょう。

更年期症状を自覚した場合は一度、更年期外来や婦人科受診を検討しましょう。

■性感染症検査

性感染症は、性行為や血液を介して感染する病気の総称であり、様々な種類があります。悪化すると不妊の原因になること上がるために、早期発見と治療が重要です。パートナーが変わったら、症状がなくても検査することをおすすめします。

性感染症の検査方法には、主に血液検査と帯下検査があります。

  • 血液検査:HIV、梅毒、B型肝炎などの感染を検査することができます。
  • 帯下検査:クラミジア、淋菌、トリコモナスなどの感染を検査することができます。

クラミジアや淋菌は尿で検査することもできます。また、保健所などでは、HIVと梅毒、クラミジア、淋菌などを無料匿名で検査することもできます。感染しているかどうかを知ることは、自分のパートナーにうつさないためにも重要です。デリケートな検査のため、検査に抵抗を感じる方もいらっしゃると思いますが、症状が顕在化するまえに、気軽に検査を受けてみることをおすすめします。

※推奨される検査方法や保健所での検査のタイミングは、地域によって異なることがあります。

【制作】『からだにいいこと』 株式会社セントラルメディエンス コミュニケーションズ

監修者

池田裕美枝先生

医学博士、産婦人科専門医、内科認定医、社会医学系専門医