女性の体の基礎知識

女性ホルモンと月経周期・基礎体温

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女性ホルモンと月経周期・基礎体温

女性ホルモンと月経周期、基礎体温とはどのような関係があるのでしょうか。月経周期と女性ホルモン、基礎体温と女性ホルモンの関係についてまとめました。

基礎体温と女性ホルモン

基礎体温とは、生命維持のために必要な最低限のエネルギー消費しかしていないときの土台の体温のことです。夜間に寝ているときの体温がそれにあたります。

基礎体温は女性ホルモンの影響を受けて月経から排卵までは低くなり(低温期)、排卵から月経までは高くなり(高温期)、それを毎周期繰り返しています。体温の周期を見ることで、排卵の有無、女性ホルモンのバランス、妊娠の有無などをある程度推測できます。

※腹部の皮膚表面温度をはかるリズムモニターでは、低温期と高温期の変化が見られます。

通常の基礎体温

通常の基礎体温とは、「低温期と高温期の差が0.3℃以上ある」「高温期が10~16日」の2つが揃った状態のこと。この条件が揃っていれば排卵が行われ、妊娠に必要な黄体ホルモンも十分に分泌していると推測できます。

高温期が短い・高温期がギザギザ

高温期が9日以下で終わってしまう、または高温期のグラフがギザギザして安定していない場合、妊娠を維持するための黄体ホルモンの働きが不十分な可能性があります。

低温期が長い

低温期が長く、とくに25日以上かかる場合は、ホルモンバランスの崩れによって卵子のもととなる卵胞が育つのに時間がかかっていたり、育っていても排卵できずに子宮内膜の表面から出血が起こる、無排卵月経になったりしている場合もあります。

二相性がわからない

基礎体温表がしばらくギザギザしており、低温期と高温期の差が明確でない場合は排卵に問題を抱えている可能性があります。

高温期が長い

高温期が17日以上続く場合は妊娠の可能性または他の病気が隠れている可能性があります。心当たりがある人は市販の妊娠検査薬でチェックしてから、そうでなくても速やかに産婦人科を受診しましょう。妊娠の可能性がないのに高温期が続く場合はストレスで女性ホルモン以外のホルモンのバランスが崩れていたり、他の病気が隠れている可能性もあります。

【制作】『からだにいいこと』 株式会社セントラルメディエンス コミュニケーションズ

監修者

池田裕美枝先生

医学博士、産婦人科専門医、内科認定医、社会医学系専門医