プロが推薦!どんな環境でもコーヒーを楽める、
タフなコーヒーギアたち
自分好みにローストした豆で淹れたコーヒーを、お部屋でゆったり楽しむのは当たり前。いつもと違う1杯を味わってみたいなら、キャンプや登山など、アウトドアでのコーヒーブレイクに挑んでみてはいかがでしょう? 新鮮な空気の中だからこそ得られる、ワンランク上の香りにハマってしまうこと請け合いです。できる限り揃えておきたいギアを、老舗アウトドアショップ「A&Fカントリー」さんにお聞きしました。屋外だけではなく、自宅でも使いたくなる素敵な逸品が見つかりましたよ!
※左からGSI ホウロウ コーヒーパーコレーター 8CUP¥4800、GSI ステンレス コニカルパーコレーター14CUP¥14000、GSI ステンレス コニカルパーコレーター8CUP¥10000、GSI ステンレス パーコレーター6CUP¥7000
─ アウトドアコーヒーのスタンダードといえばパーコレーター
パーコレーターとは、直火にかけるだけでお湯が循環し、コーヒーを美味しく抽出できる器具。内側上部のバスケットに粗めに挽いた豆を入れ、3分ほど沸騰させたあと、1分弱落ち着かせるだけで出来上がります。フタのつまみ部分は多くが透明なガラスやプラスチック。抽出中、徐々にコーヒー色に染まるため、慣れれば濃さが一目でわかるようになるとか。アウトドアフリークにはお馴染みであり、アメリカ発祥という点でも惹かれる人が多いギアです。
A&Fカントリー本店で店長を務める平戸さんによると、人気なのは丈夫でお手入れも簡単なステンレス製。「バリエーションが多いので迷ってしまいますが、まずはディテールに木やシリコンが使われていないモデルを。焚き火、口径の大きなストーブなどの上に置いても溶けたり、燃えたりしないので安心です。特にグリップは火がかかりやすい部分ですから注意してください。ご自宅のコンロのように決まった状態で使うなら、持ち手が自分に馴染むものを選びましょう」。昔ながらの雰囲気があり、キッチンでも見慣れた存在のホウロウ製は、女性が手にとりやすそうですが…。「確かに質感やオーラは抜群に良いです! ただ、衝撃や温度変化に弱く、初心者の方には持ち運びが難しいかもしれません。使い込んで煤けてくると、よりカッコ良いのですが」。
アウトドアを楽しむうえで忘れてはいけないのがゴミの始末。パーコレーターを使うと出るコーヒーかすも、必ず持ち帰るようにしましょう。「ペーパーフィルターの底部分をひとつまみ分ほど千切り、あらかじめパーコレーターのバスケットに敷いておくと始末がラクに。抽出後はそのままジップロックに放り込むだけです」。
※左からクリーンカンティーン×A&F カントリー×チコバック A&F40周年記念セット¥4200、GSI インフィニティ バックパッカーマグ¥1900、GSI ホウロウマグカップ¥900、A&F チタンWウォールカップ¥4800
※ペンドルトン オリジナルマグカップ各¥2200
─ マグカップにもこだわれば、もっと美味しい!
普段から愛用しているマグを持ってお出かけも粋ですが、アウトドア仕様のカップならコーヒーが冷めにくかったり、非日常ムードが強調できたりします。比較的リーズナブルなアイテムですから、何個か用意しておいて間違いないはずです。
「オーセンティックなアウトドアらしさが欲しいなら、チタンやホウロウが良いでしょう。前者は中空構造になっていればベスト。軽くて保温力まで望めます。後者なら飲み口や角など、ぶつけやすく割れ欠けの原因になる部分が処理されているものを」。機能面で言えば、断熱素材でカバーされたカップも気になります。「熱々のコーヒーも安心して持て、冷めにくい点も優秀ですね。GSIのバックパッカーマグは持ち手にウェビングテープを使っていて、折りたためるのです。ですから、パッキングしやすく非常にオススメ」。ファンの多いファブリックブランド、ペンドルトンが作ったマグカップもあるそう。「アメリカ好きなら欠かせない、ブランケットやシャツに使われるネイティブ柄を落とし込んでいます。しかも長崎県の波佐見焼。コレクションする人がいるほど人気です」。料理や薪割り中に飲むのなら、保温力が高く、倒れたってこぼれにくいタンブラーをカップ代わりにするのも手でしょうね。
※左からGSI スパイスミサイル¥2000、GSI ウルトラライト ジャバドリップ¥1800、クリーンカンティーン フードキャニスター8OZ¥2800、クリーンカンティーン フードキャニスター16OZ¥3400、GSI ジャバミル¥7400、GSI ステンレス コミュータージャバプレス¥7400
─ アウトドアだからこそ追求したい、機能派コーヒー小物たち
焙煎したての豆を現地で挽きたい! ドリップでじっくり淹れたい! そんな思いを持った、クオリティ重視の方が満足するグッズも教えて頂きました。豆の鮮度が損なわれにくい容器に、折りたためるドリッパー、コンパクトなミルなど、アウトドアのプロが認める性能に驚きです。
「3段重ねのスパイスケースが使えると思います。持ち運びやすいミニサイズですが、各段中央で分割されているため、合計6種類も収納可能。しかも、内容物をケースに詰める際に混ざるのが防げる、専用のアタッチメントまで付属します。砂糖や粉ミルク入れにぜひ」。パッキン採用のステンレス容器は、煎りたての豆、挽きたての粉を持ち運ぶのに重宝するそう。「新鮮さを維持しやすいのはもちろん、人体に影響が少ないとされる良質な素材を使っているのもポイントです」。セラミック製の刃を装備し、挽き加減まで調節できる本格的なミルにも、携帯しやすいタイプが存在します。「丈夫なだけでなく、パーツを取り外してコンパクトに組み直せるのが特徴です」。アウトドアでこそ真価を発揮するといえるのが、クイック&イージーなジャバプレス。「あまり装備が揃っていなくても、良い粉とお湯さえあれば納得の味に」。
─ 持ち運びラクラクでカップ問わずの万能ドリッパーをご存知?
「GSIの携帯ドリッパーなら、アウトドアでも淹れる楽しみが十分に味わえます。以前のモデルは目が細かすぎて抽出に時間がかかり、少し冷めてしまうのが難点でしたが、現行は改良されてスピーディに。ペーパーフィルターを重ねても問題なし。カップのサイズだって選ばないのですよ。とても柔軟性に富み、重量わずか17g。3本の脚を折りたたむとフラットになり、ストーブ用ガスカートリッジの底に納まるほど。荷物を圧迫する恐れはまったくありません」。自然に囲まれながら、のんびりとドリップする時間。なんとも贅沢だと思いませんか?
平戸さん曰く、「日常生活と離れ、ゆっくり過ごせるキャンプこそ、自分で豆を挽く良いタイミングだと思います。やはり香りが全然違いますし、なによりその香りに誘われて人が集まって来るんです。美味しいコーヒーを片手に様々な人たちと触れ合う。なかなか普段では得られない貴重な時間ですよ。荷物をミニマムに抑えたい場合はドリッパーと粉、それにゴミ袋さえ持っていけばOK。僕はアウトドアでの食事に凝るため、材料が入ったタッパーを必ず持って行きます。そして食事後にコーヒーを。コーヒーかすは空になったタッパーに詰めてしまえば良いわけです」。
平戸隆志さん
A&Fカントリー本店 店長
イベントや会社関係の付き合いだけでなく、プライベートでものんびり系アウトドアを楽しむ愛好家。A&Fカントリーが主催した、屋外ドリップのワークショップに参画するほどのコーヒー好きでもある。
A&Fカントリー本店
東京都新宿区新宿6-27-56新宿スクエア 1F
TEL|03-4578-8825
営業時間|11:00~20:00
定休日|不定休
写真/山田裕之
文/金井幸男